Fate / in the world

008 「アインツベルンU」 後編


――ハァハァハァ

 豪華な調度品や彫刻、華美な絵画で飾られた長い回廊はまるで美術館を思わせる。

――ハァハァハァ

 その回廊を私達は、アインツベルンの長、アハトへと向かって突き進んでいる。

――ハァハァハァ

 と言うかですね……逃げ回っているのですが……

「なんでいきなり風王結界(インビジブル・エア)なんてブチかますのよっ!!」

「あぅ……」

 それを言われると、つい……としか答えられませんが……

「そんな事より、後ろっ!! 十体ほど追いついてきてるんだけどっ!」

「もうしょうがないわねぇっ!! ――Sechs Ein Flus, ein Halt(六番  冬の河)!」

――パキパキパキパキッ!

 凛の氷結魔術で追っ手を足止めしてもらえたようですね。

「今度は、前から五体だ! ミスター・エミヤはミス・トオサカの援護を! ミス・アルトリア、加勢を頼む!」

「おう!」

「承知っ! 風王結界(インビジブル・エア)開放(ブレイク)!!」

「だぁぁ――っ! 閉塞空間で使うんじゃないわよぉぉ!!」

 あ……





Fate / in the world
【アインツベルンU 後編】 -- 蒼き王の理想郷 --
ExtraEpisode in Deutschland





 絢爛豪華な装飾を施されていた回廊は、激しい戦闘のために見るも無残な廃墟と化している。
 あ、いえ、その……私の風王結界(インビジブル・エア)のせいかもしれませんが……

「まったく……みんなちょっとは落ち着きなさいっ!」

 凛にそれを言われるのは、なんとも言えない気分ですね。
 
「とりあえず、追ってきたホムンクルスは撃退できたようだが。ミスター・エミヤ、大丈夫か? 顔色が優れないようだ」

 シロウには負荷を掛け過ぎですね。

「……ハァハァ、ちょっときついけど、まだ大丈夫だ。城に入ってからは、大した投影もしてないし」

「でも魔術回路に大きな負担が掛かってるのも事実よ。これから先は、少し自重しなさいね、士郎」

「ああ、出来ればそうしたいけどな……ところで、ここどこら辺なんだ?」

 恐らく中央回廊への分岐までもう直でしょう。
 こういった城の作りは、どこもそう変わるものでも無いでしょうし。

「このまま真っ直ぐに進むと、大広間に出る。そこからさらに大きな回廊へと進むと、大聖堂へと出るはずだ。恐らくそこが中心部の入り口だろうな」

「よし、それじゃあ行こう」

 シロウの言葉をきっかけに、再度回廊を進み始める。
 そして歩く事十数分、ホムンクルスとの遭遇も無く大広間へと到着した。
 意匠を凝らした彫刻やフレスコ画で埋め尽くされた大広間は美しいものではあるが、今この時にそれを楽しむ余裕は無い。

「このまま奥の扉から中央の回廊へと抜けれるはずだ」

 重苦しい音とともに中央回廊への扉が開かれ、さらに城の中心部へと進む。

「ッ?! この、部屋は……」

「どうしたんだ? アルトリア?」

 この雰囲気は忘れもしない彼女のものだ……

「申し訳ありません、少しの間で良いのです。この部屋へ入らせて欲しい」

「この部屋……切嗣さんと関係があるの? アルトリア?」

「いえ……キリツグの妻であったアイリスフィールの、イリヤスフィールの母の部屋だと思います」

「イリヤのお母さん……そうか、もしよければ俺も入らせてもらいたいな」

「それでは」

 そう言って私は、アイリスフィールの部屋の扉を開けた。
 そこは……アイリスフィールの持つ雰囲気そのままに、華やかではあるけれど、寂しく、明るいけれど物悲しい部屋だった。

「こ、これは……」

 アンティークの格調高い調度品、その机の上には……キリツグとアイリスフィール、そして二人の愛情を目一杯受ける幼いイリヤスフィールの三人が映った写真が立てかけてあった。

「これが……これが切嗣の家族だったんだな。切嗣が本当に守りたかった家族だったんだろ? なぁ、切嗣?」

 写真に触れるか触れないかというように手を伸ばし、声を震わせながらシロウが一筋の涙を零した。

「「「……」」」

「綺麗な、優しそうな奥さんだな? イリヤも……幸せで一杯って顔じゃないか」

「士郎……」

「シロウ……」

 せめてこんな時くらい、思い切り泣かせてあげたい。
 でも、彼はそれを良しとはしない人だから……今自分が涙している事すら気づいていないのでしょう……

――バンッ!

――コンッ、コン!

「伏せろぉぉっ!! 炸裂弾だっ!!」

 ミス・カミンスキーの声とともに、扉が閉められる音と何かが床を転がる音。

 これは、マズイ。
 私はともかく、他の三人は……間に合わないッ!

I am the bone of my sword.(体は剣で出来ている)

 かけがえの無い思い出の部屋に響くシロウの詠唱。

「"熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)"――!」

――ドーンッ!!

 閃光と爆音が支配しようとする部屋に、鮮やかに光り輝く七枚の花弁が現出し、最前面で私達を爆風と熱線から護り抜く。

「うぉぉぉぉぉ――っ!!」

 それは数秒にも満たない拮抗ではあったが、部屋の半分を破壊しつくした爆発から、数枚の花弁を犠牲にして私たち三人を護りきってくれた。

「シロウ! 大丈夫ですかっ!!」

「士郎っ!! しっかりしてっ!! 士郎っ!!」

 恐らくは度重なる宝具の投影と、魔術回路の酷使、慣れない盾の投影からか、シロウは大量の吐血で胸元を紅く染めていた。

「うっ……くっ……カハッ、大丈夫、か? みんな、は?」

「馬鹿っ!! あんたが護り抜いたでしょう!!」

「いかん、内臓に損傷をきたしている筈だ。ミス・トオサカ、すぐに治癒魔術を!」

「もうやってるわ! でも、やっぱり……今でもあの不思議な回復力は健在なのね……」

「……ハァハァ、みたいだな。だいぶ楽になってきたよ」

「シロウ……良かった」

「私には良く解からんのだが、とにかくミスター・エミヤの命に別状は無いのだな?」

「ええ、士郎は聖杯戦争の時から並外れた回復力を身につけてるのよ。」

 そう言えば……聖杯戦争時、士郎の回復力は私の自己再生力が逆流入していると推測していましたが……
 今は、マスターとサーヴァントのレイラインは通っていません。
 それでは、士郎の回復力は一体……まさかっ!
 キリツグがアインツベルンから持ち出した遺物(アーティファクト)とは、士郎が私を召喚できた本当の理由とは……

「そうか、ならば一安心といったところか」

「ありがとう、凛。もう大丈夫だ。……クッ、部屋が滅茶苦茶だ……切嗣の家族の部屋が……」

「士郎……咄嗟の事でこれだけしか守れなかったわ」

 そう言って、凛が写真立てを士郎へと手渡す。

「いや……ありがとう、凛。これだけでも残ってくれた。ほんとに嬉しいよ」

「う、うん」

「あ〜、続きは帰ってからにしてくれたまえよ。それよりもだ、恐らく扉の外に居るぞ……」

「はい、十体以上の気配を感じますね」

 これは、ホムンクルスの待ち伏せですか。

「……俺がやる……これは、許せないッ!」

「待ちたまえ! これ以上無理をするな、ミスター・エミヤ」

「でもっ!!」

「士郎の気持ちは解かるけど、こういう時は仲間を頼って。お願いよ」

「それに私もシロウと同じ気持ちです。大切な思い出を踏みにじった輩をこのままにするほど私は甘くはないっ!!」

 ええ、よくもっ! よくも、アイリスフィールの思い出をっ!

「まず私が過重力を掛けるから、アルトリアとミス・カミンスキー、後はお願いね」

「それでは、タイミング合わせよろしいか? 3・2・1」

vox Gott Es Atlas(戒律引用、重葬は地に還る)――!」

「はぁぁぁ――っ!」

――ガキンッ! ザシュッ!

「おらぁぁぁ――っ!」

――ドンッ! ボッ!

「……す、すごいな。アルトリアはもちろんだけどさ。その動きについて行けてるミス・カミンスキーの体術もすごい。」

「そうよね、でも"おらぁぁぁ――っ!"は、いただけないわ。それと、なによアレ? 拳から魔力弾飛ばしてるじゃない……」

「○動拳だな……」

「ええ、波○拳よね……」

「おらぁぁぁ――っ!」

――ボッ!







「シロウ、やはり一度休憩を取りましょう」

 見ているこちらが辛いです。

「そうだな、先ほどの部屋以降、ホムンクルスの襲撃も無くなった。休める時に休むのも戦闘においては重要なことだ」

「いや、大丈夫だ。それより……いひゃいいひゃい、りん、はなひてくえ!」

 よく伸びますね? シロウのほっぺ……

「ダメ。五分でいいから、ここで休むんだからね!」

「う……わかった」

「まったく、ミスター・エミヤはアレか? 回遊魚のように休むと死んでしまうのか? 少しは自分の体とそれを心配する者の気持ちを考えたまえ」

「「もっと言ってやって(下さい)!! ミス・カミンスキー」」

「ゴメンナサイ、ハンセイシテマス……」

「ふむ、ならば……この件の終了後、反省の証として、先ほどの写真をだな、その、デジタルカラーコピーしてもらいたいのだが……」

「「「……」」」

「……いいですけど……切嗣だけ切り抜くのは、ダメですよ?」

 おお! 鋭いですね、シロウ!

「なっ! そそそそ、そんな事は、全く考えても、い、い、いなかったぞ?」

「「「……」」」

 では、どうして疑問形なのでしょうか……
 まあ、わかりやすい人なのですね、この人も。

「そ、それよりもだな、君は危なっかしい。ここは一つ、私が写真を預かってあげようと思うのだが、よろしいか?」

「却下です」

「……即答とはつれないな……その、お願いできないだろうか? 一枚だけでいいのだが?」

「わかりました……これが終わったらちゃんとコピーして渡しますよ」

「おお! ありがとうミスター・エミヤ」

 キリツグは昔、この人に一体何をしたのでしょうね……

「よし、それじゃあ、そろそろ行こうか」

 そう言ってシロウが立ち上がり、私達は大聖堂の扉を開けた。







 静寂に包まれ、厳かな雰囲気を漂わせる大聖堂は、開け放たれた扉から真っ直ぐに伸びる一本の通路で奥の祭壇へと繋がっている。
 ここは……違いますね。
 聖なる祈りの場などではあり得ない。
 ここは……時間が退廃し、思考が磨耗され、差し込む光さえも重く虚ろな物へと変えてしまう。そんな場所だ。

「よく、来たな。もっとも……招待した覚えはないが」

 その声は、祭壇の奥に立つ、高齢ながらも恰幅の良い体躯と長く白い顎髭を蓄えた眼光鋭い老魔術師からの物だった。
 白地に萌黄と黄金の司祭服を纏った、あれが、アインツベルンの長、ユーブスタクハイト・フォン・アインツベルン。通称アハト翁か。
 齢二百を数え、なお聖杯を求める狂気の象徴というわけですね。

「ああ、あんたに話がある、アハト翁。俺はキリツグ・エミヤの息子、シロウ・エミヤだ」

 負けじと鷹の眼差しで、アハトを射抜くシロウ。

「ふむ、あの裏切り者の息子が私に何用か?」

 無表情を装っていたアハトの顔が、キリツグの名前と共に厳しい物へと変化した。

「アルフレート・ケンプファー。あんたは彼に命じた筈だ。"キリツグが持ち出した遺物(アーティファクト)を回収しろ"ってな」

「子細は別にして、それは事実だ。で、それがどうした?」

「キリツグの縁者は既に俺一人だけだ。でもキリツグの遺品の中には、そんな物はなかった。元々がアインツベルンの物だって言うなら、この件に関しては俺がキリツグに代わって謝罪する。すまないが、回収を諦めてもらいたい」

「……あの裏切り者の息子らしく、これはまた手前勝手な話だが……」

「初めまして、アインツベルンの当主、ユーブスタクハイト・フォン・アインツベルン。私は遠坂の現当主、リン・トオサカよ。それでは取引と行きましょう。先の貴方の命令により、アインツベルンの支族であるアルフレート・ケンプファーが冬木の土地で行った外道の数々。セカンドオーナーである私には協会への報告義務がありますが……アインツベルンも下手に協会からの干渉を受けたくは無いでしょう? こちらがこの件の報告を取りやめる代わりに、アインツベルンは今後シロウ・エミヤからの遺物(アーティファクト)回収を諦めなさい」

 事前に私達三人で打ち合わせていた、等価交換の取引を"遠坂"として"アインツベルン"に伝える。

「なるほど、今代のトオサカは優秀にして先の聖杯戦争を最後まで勝ち抜いたというのは、伊達ではないか」

「ついでに言うと、この件に関してはマキリの現当主の承諾も取り付けてあるわ。さあ、どうするの? ユーブスタクハイト・フォン・アインツベルン!」

 これもまた、事前に凛が桜へと話を通している。

「……ほぅ……マキリか……ゾルケン、いやゾウケンは息災か?」

「フンッ! 何もご存知ないのね……ゾウケンなら聖杯戦争で死んだわ。今の当主はサクラ・マキリよ」

「フ、フフ、フハハハハッハッハ……ゾウケンが死んだ? いやこれはこれは……」

「? 何がそんなにおかしいのかしら?」

「いや、失礼をしたな。まぁそんな事はどうでもよい。それよりもだ、エミヤの隣にいるのは、もしや騎士王ではあるまいか?」

 やはり、見抜かれているか……

「左様だ、アインツベルンの長よ。私はかつてブリテンを統べた騎士王アーサー・ペンドランゴン。そして、シロウの剣となる存在だ!」

「つまり……騎士王のマスターがエミヤという事か。それで遺物(アーティファクト)が無いなど片腹痛いと言うものだが……さりとて騎士王が現界しておる今、アレを回収しても意味はあるまい」

 そう、呟いたアハトの言葉に、私は一つの確信を得た。
 やはり……キリツグが持ち出した遺物(アーティファクト)は、"全て遠き理想郷(アヴァロン)"だった。
 第四次聖杯戦争で私を召喚するために使われたはず。
 それを、何らかの形でシロウに託したのだ、キリツグは。
 たとえ、シロウ自身が知らなくとも、私を召喚できた事、そしてあの回復力から間違いはないだろう。

「答えを聞きたい、アハト翁。取引に応じるのか?」

「ふむ、よかろう……このまま続けようと何の益もなし。ユーブスタクハイト・フォン・アインツベルンの名において、その取引、受託した」

「……そうか……」

 そう言ってシロウは、無言のままアハトへと歩いていく。

「ちょっと! 士郎?!」

「シロウ! 何をっ!」

「……ここから先は、俺の身勝手な我侭だ。みんなはそこで待っててくれ」

 視線をアハトへと向けたまま、シロウは背中越しに私達へと言い放つ。
 そして、祭壇の前まで進むと、

「他に用件でもあるのか? エミヤ?」

「……ああ、これはな、小雪の分だぁっ!!」

――ガシッ!

 右の拳を思い切りアハトの顔面へと叩きつけた。

「それから、これは、アルフレートのお母さんの分っ!!」

――ガシッ!

「それと……これが……切嗣とその家族の分だぁぁっ!!」

――ガシッ!

 三度の殴打の音が響き、大聖堂は再び静寂へと帰る。

「気が済んだか? エミヤ?」

 恐らくは、魔術的な加護でもあるのだろう。
 さして利いている様にも見えないが……これは、シロウが言ったとおり、彼の意地なのだろう。

「……まさか。こんなのはただの、ガキの八つ当たりだ。あんたがこの先どういう道を進もうと俺には関係ないけどな、また一般の人々にまで危害を加えるような事をするなら、俺はもう一度ここへ来て、今度はあんたを倒すから、よく覚えておいてくれ」

「フンッ、吠えよる。まさに"魔術師殺しの後継者"と言ったところか」

「勘違いするな、俺は"正義の味方の後継者見習い"だっ!!」

 そう言って、シロウはアハトへ背を向け、私達のもとへと歩いてきた。
 一千年の妄執を向こうに回して大聖堂を歩く姿は雄々しく、そして奇跡の偶然に私は神へと感謝した。

――シロウ、貴方が私の鞘だったのですね……







「はぁ、なんとか無事に終わったわね……」

「ふむ、まずは全員の生還、それに取引の成功を祝おう」

「そうですね、今はただ祝うべき時でしょう」

「ああ、みんな。ほんとにありがとう。俺一人じゃ何も出来なかった。みんなの助けのおかげだよ」

「それじゃあ〜、かんぱ〜いっ!!」

 アハトとの取引が終り、私達が無事ホテルへと帰りついたのは、太陽が隠れる寸前だった。
 皆、取りあえずシャワーを浴び、レストランでの食事と祝杯となったのですが……

「ミスター・エミヤ! 忘れないでもらいたい、コピーのことは必ず完遂するようにっ!!」

「わかってますって、もうそれ十回以上聞いてますから……」

「士郎〜、お代わり〜、早く注ぎなさ〜い!」

 凛、すでに酔ってますね……

「ほら、凛。零すんじゃないぞ。アルトリアはお代わり大丈夫か?」

「それでは、頂きましょう。何時の時代も勝利の美酒は良いものです」

「まぁ、勝利って言えるかどうか微妙だけどな」

 苦笑いを浮かべながら、ワインを注いでくれるシロウ。
 それでも、今回は彼が無事で良かった。
 彼を守れて良かった。
 私の鞘が、彼と共にあって良かった。

「……な〜に〜、アルトリア〜。ぼ〜っと士郎のこと見つめちゃって……」

「なっ、そ、そんな事はありません!」

「顔も赤くしちゃってるじゃな〜い」

「こ、これは、酒精のせいで、シロウに見蕩れていたわけではありません!」

「あ〜、君達の仲が良いのは解かったから、少し話をしても宜しいか? ミス・トオサカ?」

 途端に、凛の顔つきが魔術師の物へと変貌する。
 こういうところは流石ですね。

「ミスター・エミヤの魔術の件だが……」

「ミス・カミンスキー、それは」

 ミス・カミンスキーの言葉を遮った凛の言葉は、

「今回、私は何も見ていない……」

 そんな言葉に、再度遮られたのだ。

「「「は?」」」

「……だからっ! 私は自分自身の身を守ることに忙しく、彼の魔術行使など見ている暇は無かったと言ったのだ!」

「……そう。これは、借り一つかしらね、ミス・カミンスキー?」

「そんな気は遣わないでも結構だ。私はただ、キリツグを継ぐ者に不幸になどなってもらいたくは無い……」

「ありがとう、ミス・カミンスキー。それとキリツグのことも、ありがとう」

「お礼を言います、ミス・カミンスキー」

「ミス・カミンスキー、貴女に至高の感謝を」

「ふむ、これでこの件は本当に終りだな。後は……ミスター・エミヤ! くれぐれも例の物をコピーし忘れることなく」

「わかった! わかりましたっ!!」

 フフ、よかったですね? シロウ、凛。
 さあ、今宵は、飲み、食べ明かしましょうか。

「では、シロウ! このレバーケーゼとアイスバインを二人前追加でお願いします! それから赤ワインも追加でっ!!」

 偉大なるゲルマンの民が生み出した料理たちよ、今宵ブリテンの騎士王が征服して見せましょう!






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