Fate / in the world

006 「姉妹」 前編


 アインツベルンの使者、アルフレート・ケンプファーとの一戦からはや数日。
 もうすぐ春休みも終り、三年生へと進級するその日を数日後に控え、わたし遠坂凛は危機に直面している。
 対アルフレート戦や聖杯戦争時にさえ直面しなかった程の危機に。

 対アルフレート戦では、わたし達のウィークポイントが明らかになった。
 わたしは、決め手となる宝石を聖杯戦争で使い尽くしてしまったために、大火力の魔術が使えない。
 アルトリアはわたしからの魔力供給だけでは、風王結界の使用までが限界で、真の宝具を使用できない。
 いわんや士郎はへっぽこである。
 まあそれは良い。
 アインツベルンへ向けて出発するまでに各自が何らかの手段で克服すれば良いだけだし。
 わたしの資金難は深刻だけど……

 そんなことよりも、である!
 問題なのは今、直面するこの危機をどうするか?
 わたしが、打開策を模索すべく居間を見渡すと……

 アルトリアは、我関せずとばかりに、せんべいをぱりぱり食べながら、時代劇の再放送に夢中だった。
 あなた……最近テレビっ子になったわね……

 しろぅは当然、アルトリアの膝の上で、援護は期待できない。
 っていうか、最初からそもそも無理よね……

 最後の希望であり、わたしの、その、恋人である士郎はと言えば……いないじゃない!!
 まあ、居たらいたで、余計に話がややこしくなるんだけど……

 さて、わたしも魔術師だ。
 そろそろ現実逃避は止めにして、この直面する危機と対決しましょうか。

「あ、あの〜、遠坂先輩?」

「おはよう桜、なんだか久しぶりよね?」

 こういうときは、話題を変えるのよ! がんばれ、わたし!

「は、はい、それは良いんですけど、その〜……そろそろ離していただけないですか?」

 そりゃあ、後ろから抱き付かれちゃ無理も無いわね……
 でも何だか、回した腕に当たるこの強烈なぷにゅぷにゅ感がやたらと頭にくるわね……

「そ、そうね! このままじゃ、あなたもお料理できないわね」

 だから、これ以上"コノ"話題でツッコムのは止めなさい、桜。

「ええ、まあ、それもそうなんですけど……そのですね、遠坂先輩、お体が少し、イカくさ」

「だぁぁ――――――っ!! 士郎のばかぁ――!!」

 何処行ったのよっ!! 出て来い、へっぽこ!!





Fate / in the world
【姉妹 前編】 -- 紅い魔女の物語 --





 のどかな春の朝、柔らかな日差しの衛宮邸の居間には、正座をしながら反省させられているわたし事、遠坂凛とその恋人である衛宮士郎。
 そして、食後のお茶をすすりながら、子犬のしろぅを膝の上で遊ばせている、アルトリア・ペンドラゴン。
 一方、わたしの正面に座って満面の笑みを浮かべながら、シベリアの氷河のごとき冷たい殺気を放っているのが、間桐桜さん。

 そもそも事の発端はわたしの家、遠坂に伝わる呪い"うっかり"が原因だったりする。
 いつものように、朝の寝起きがほんの少しだけ人より悪いわたしは、起床してから寝ぼけたまま居間へと歩いてきた。
 廊下を歩いている途中で、トントントンというまな板を包丁が叩く音を聞いたわたしは、昨夜の勢いそのままに台所で朝食を作っているはずの士郎へ抱きついたのだ。
 まあ、抱きついた相手がまさか自分の実の妹だとは思わなかったけれど……
 その後、士郎が藤村邸より帰宅し、完全に無言の朝食をとった後、今の状況に至るわけであるのだが……桜、恐いからいい加減その笑顔やめてくんないかしら?

「あ〜、ちょっといいかな?」

「先輩は黙っててください」

「ハイ、ゴメンナサイ……」

 即答に即答で返して、どうすんのよあんたは。

「質問は私からさせていただきます、いいですよね?」

 士郎、そんなに首振ったらもげるわよ?

「それでは……どうして、先輩のお家に、いつまでも、遠坂先輩が、住み着いているんですかっ?!」

 うわぁ……恐いわ、その言い方は恐いわよ、桜。
 士郎なんて半泣きよ?

「しかも! 朝から、その……抱きついたりとか……ましてや、あんな匂いをさせてだなんて……一体、どういう事なんですかっ?!」

 あぅ……それ言われると、弱いわねぇ。
 大体、昨日の夜に士郎があんなに張り切ったのがいけないのよ!
 って、アルトリア! "またですか?"って目で見ないで欲しいわ……

「あ、あのね桜。落ち着いて、冷静に話し合いましょう」

「私は、十分、冷静です! 遠坂先輩っ!」

 寝言は寝て言えってのよ、まったく。

「あ、あのな、桜。お前が慎二の看病で家に来られなかった間に決めてしまった事だから、ほんとに悪いと思ってる。凛とアルトリアはこれからも家で暮らす事になったんだ。家族のお前に事後報告になっちまって、すまない。でも、出来れば桜にもちゃんと了承して欲しいんだ」

 真剣な顔で優しく桜を諭すように士郎が言う。
 でもねぇ、たぶん話の途中から聞いてなかったわよ、この子。

「……今、なんて……先輩? 今、遠坂先輩のことなんて呼んだんですか?」

「あ〜、その、凛って呼んだ。凛は俺の……恋人だからな」

 ……桜。

「……やっぱり、先輩と遠坂先輩はお付き合いされていたんですね……学校でも噂になっていましたし、もしかしたらとは思っていました……けど……」

 けど……認められない? わたしが許せない?

「そうか、桜も薄々知ってたんだな。それとな、セイバーの事も、家族なんだしこれからはアルトリアって呼んでやってくれないか?」

「……それは……構いません……けど……」

 俯いたまま、震えるような声で返事を返す桜。

「あ、それから藤ねぇにはもう言ったんだけどさ、俺と凛とアルトリアは卒業したらロンドンへ留学することになったんだ。まあ、それで今朝も藤ねぇに英語の猛特訓を受けてたんだけどな」

「え?」

 ふっと顔を上げた桜は、信じられない事を聞かされたように、目を見開いて士郎の言葉を聞いている。

「だから、桜と藤ねぇには少し寂しい思いさせちまうかもしれないけどさ、でも桜にもちゃんと話しておかなきゃいけないって思ったんだ」

「……嘘、ですよね? 先輩? そんなの……冗談ですよね?」

「いや、ほんとだぞ。俺が自分で決めた事だからな。それにこんな事、冗談で言えないだろ?」

「そん……な……」

「桜……ごめんなさい……とは、言わないわ。あなたの気持ちは解かっていたもの。それでも、この事だけは……士郎の事だけは譲れないわ」

 ほんと、酷い姉貴よね……

「そう……ですか、やっとお爺様がいなくなって、私にも自由が出来たと思ったら……貴女は私から、この家の居場所も先輩も奪っていくんですか……」

 暗い目で、わたしを見据えながら桜が呟く。

「ちょ、ちょっと待て、桜。この家の居場所って、そんなの」

「士郎は黙ってて」

 ごめんね、士郎。
 でも、これはわたしと桜の……昔、遠坂の姉と妹だった二人の話なの。

「勝手ですね、遠坂先輩。後からこの家にやって来て、図々しいにも程があるんじゃないですか?!」

「そうね、でも、桜。恋愛に既得権や優先権なんて持出しても意味無いわよ」

「そんな事を言ってるんじゃありません!! 姉さんは、いつだって何でも持ってるくせに。私のたった一つの希望まで奪い去る権利なんて無いじゃないですか!!」

「「え?」」

 さ、桜。あなた……

「桜? ……お前、今、"姉さん"て、凛の事を"姉さん"て呼ばなかったか?」

「え? あ……私は……」

 不意に士郎に問い詰められ、あたふたと言い訳を探し慌てる桜。
 あちゃ〜、これはダメね。
 観念するしかないかなぁ。
 ま、いい機会だし、しょうがないわね。

「その通りよ、士郎。だって桜はわたしの実の妹ですもの」

「ね、姉さん……」

 任せなさい、桜。
 あなたが士郎に知られて欲しくない事を、わたしは言うつもりはないわよ。

「え? え? 桜が凛の妹? 待ってくれ、一体どういう事なんだ?」

 士郎、顔が面白い事になってるわよ?

「どうもこうも無いわよ。桜は元々、遠坂家の次女として生まれて、間桐の家に養子として出されたのよ」

「ああ、なるほど、アレはそういう事だったのですね」

 ん? ああ、そっか。きっとアルトリアはわたしの夢でも見たんでしょうね。

「あ、いや、それはわかった。物凄くビックリしたけどな。でも、桜が遠坂の次女って事は……」

「……はい、先輩。私は、魔術師、です……」

 大丈夫よ、桜。

「ずっと、先輩に黙って……騙していました……先輩が魔術師だって事も知っていました……聖杯戦争の時だって、アルトリアさんがお家に来た時だって……それでも私、知らない振りして……許して下さいなんて言えないけれど……でも、ごめんなさい、先輩……」

 あなたが心配しているほど、士郎は安い男じゃないわ。

「……そっか。でもな、桜が謝る事なんてないぞ。そんなのお互い様だし、俺だってずっと桜に黙ってたんだから。俺のほうこそごめんな、桜」

「……先、輩?」

 ほらね? こういう奴なんだから、士郎は……

「う〜ん、でもそれならもっと早く打ち明ければ良かったかなぁ。そうすれば桜にも全部打ち明けて、皆で色々相談もできたのになぁ」

「士郎……」

「シロウ……」

「先輩……」

 ああ、コイツはこういう奴でもあったわね。魔術師としての基本ルール、度外視してんじゃないわよ!

「ん? なんか俺、変なこと言ったか? って、そうだ! そんな事より、桜!」

「は、はい!」

 急に士郎が真剣な顔で桜を見つめ、その名前を呼ぶ。

「一つ言っとくぞ。桜が魔術師かどうかなんて、そんな事はどうでもいい。でもな、お前がさっき言ってた、この家にお前の居場所が無くなるって事は納得できないぞ。俺が凛と付き合っていようが、桜が俺の家族なんだって事には変わりはないんだからな。今まで通り、その、なんだ。家に来てもらえると、俺も嬉しい」

「「「……」」」

 開いた口が塞がらないわよ。
 事もあろうに、仮にも魔術師である人間が、相手が魔術師であるかどうかなんてどうでもいい……それよりも、家族としての居場所が大切だ、なんて言うはずがない。
 でも……きっと……その言葉が、どれほど桜にとって嬉しいものかなんて、あんたは解からずに言ってるんでしょうけどね、士郎だし……
 あんた十分いい男よ? 士郎。

「桜、良かったじゃない? コイツはあんたが魔術師かどうかなんて問題にしてないのよ、最初っからね。家族としてのあり方が大切なんでしょ、きっと」

「おう、当然だろ? 家族なんだから」

 いばるな! へっぽこ!

「先輩……私、また、これからもこのお家に通ってもいいんですか? 許してもらえますか?」

 そんな事、不安げに聴く必要ないわよ? コイツばかなんだから。

「あのな、許すも許さないも、桜は家族なんだから。自由にこの家を使えって言ったじゃないか。それに鍵も渡してるんだしさ」

「あ、ありがとう……ございます、先輩……」

「それじゃあ、桜。私と士郎の事も認めてくれたのね?」

 うん、これで、万時解決よね〜。

「それとこれとは、話が違います! 姉さん!」

 え? ちょっと?

「ちょっと何でそうなるのよ!」

「大体、姉さんはずるいです! 何でもかんでも独り占めにして! 子供の頃だって、くまさんのぬいぐるみを独り占めにしてました!」

「意味わかんないわよ! っていうか、あんただってうさぎさんのぬいぐるみ、二つとも持ってったじゃない!」

「と、とにかく! 私はそんなの認めません!!」

「……なあ、アルトリア。そのお茶請けどうだ?」

「ええ、これは中々。餡子が甘すぎず、中のお餅と非常に相性がよいですね」

「そっか、じゃあ、今度また買って置くよ」

「そこ! うるさいわよ!!」

「先輩! うるさいです!!」

「……なんでさ……」

 とにかく、全〜部士郎が悪いっ!!







「一体! 貴女達は! 何を考えているのですかっ!!

 効くわねぇ、アルトリアの咆哮は……これもドラゴンブレスって言うのかしら?

「「ごめんなさい」」

 衛宮家居間で繰り広げられた姉妹喧嘩は、尊い犠牲者一名を出した事でうやむやの内にお開きとなった。
 まあ、そこでうんうん唸りながら倒れている士郎の事なんだけど。

本当に反省しているのですかっ!!

「「はい」」

 わたしと桜の口論が激化し、それを止めようと割って入った士郎に、わたしはガンドを、桜はエーテル弾をぶちかましたのだ。
 べ、別に士郎を狙ったわけじゃなくて、その……偶然って怖いわね。

「まったく、限度というものを考えなさいっ!」

「「次は気をつけます」」

 で、わたしと桜は正座させられ、アルトリアの説教を受ける羽目となっている。

「……そもそも、次があってはいけないのですが……ん? シロウ、気が付きましたか?」

「う、う〜ん……」

 頭を振りながら、起き上がろうとした士郎の手が、心配そうに覗き込んだアルトリアの胸へ……って、コラ士郎っ!!

「シ、シロウ! 何を!」

「あ、ちっちゃ」

「「「……」」」

 士郎、あんた死んだわよ?

「……こ、これは、事故だ! アルトリア!」

 白銀の鎧を身に纏い、バーサーカー以上のオーラを噴出しまくるアルトリア。
 こういうのもマスター殺しって言うのかしら?

「言い残す事は、それだけですか? シロウ?」

 恐ろしいわね、聖杯戦争の時でさえこれほどの恐怖なんてなかったんじゃないかしら?

「俺は無罪を主張するぞ!」

 縋る様にわたし達を見る士郎に対して、わたしも桜も目を逸らす。
 だって、自分の身って可愛いでしょ?

却下です!!

――ガポン

 という音を立て、アルトリアにお盆の裏で頭を殴られ、士郎は再度気絶した。
 それから、士郎が復活するまで約三十分。
 女三人と子犬一匹は、側で伸びているナニカを見ないようにお茶をすすっている。

「う、う〜ん……あれ? 俺どうしたんだ?」

 しっかし、士郎ってつくづく丈夫よね? 普通気絶じゃ済まないわよ、あれは……ガンドもそうなんだけど。

「おはよう士郎」

「起きたのですね、シロウ」

「おはようございます、先輩」

「おう、おはようって、俺なにしてたんだっけ?」

「昼寝よ!」

「昼寝です!」

「昼寝ですよ!」

 一糸乱れぬチームワークって事にしておこう。

「……まあいっか……ってよくないぞ! 凛! 桜! 喧嘩はやめろ!」

 うん、いい感じに記憶が飛んだわね。

「何言ってるのよ、わたしも桜も、もう喧嘩なんてしてないじゃない」

「そうですよ先輩」

 桜、あんたもシレっとよく言うわね。

「あ、あれ?」

「士郎が暢気に寝てる間に、わたしと桜で話し合ったのよ。わたしと士郎の事を認めて、留学にも賛成してくれるんだって」

 まあ、かなり苦労したけどね。
 ある意味、等価交換よ、これは。

「ほ、ほんとか?! 桜!」

「はい……でも、先輩? 私から、聞いていただきたい事とお願いしたいことがあるんです……」

「お、おう! 俺にできる事なら、何でも言ってくれ!」

「それじゃあ……先輩、私、先輩が好きです」

「? おう、俺も桜が好きだぞ?」

「……あんたねぇ、……」

 ……底抜け? 底抜けのばかでしょ?

「うふふふふふふふふふ」

「さ、桜、シロウにはこの後の鍛錬でキッチリ地獄を見せておきますので……」

「な、なんでさ!」

 いっぺん死んで来い!

「ふふ……いいんです、これで……でも、これからもずっと私は……だから、今はこれで満足ですよ、私」

「桜……」

 ごめんね……桜。
 ん? でも"今は"って言ったわよね、確か……

「それと、先輩? 先輩は正義の味方を目指しているんですよね?」

「ん? ああ、まだまだ届かないけどな」

「じゃあ、もしもですよ……もしも、私が何かに困って、助けてって言ったら……先輩、助けてくれますか?」

 あなた……臓硯の事、まだ気にしてるのね……
 士郎が気絶している間に、わたしとアルトリアは、わたしが懸念していた間桐臓硯のことについて桜に話を聞いた。
 桜の説明では、聖杯戦争中にギルガメッシュが間桐の地下室に現れ、臓硯を王の財宝(ゲートオブバビロン)で殺したという。
 今の間桐には桜と慎二しかいないんだから、そこまで不安視する必要はないのだけれど、それでも桜の不安は消えないのだろう。

「あ、当たり前だろ!! 他でもない桜が困ってるなら、何を置いても俺が助けるに決まってるじゃないか!!」

「……ありがとうございます、先輩。すごく嬉しいです。約束しましたからね、絶対ですよ?」

「おう、絶対だ」

「それと、姉さん、アルトリアさん。もう、ロンドンでもパリでも何処にでも先輩を連れてっちゃって下さい。でも、その代わり、必ず先輩を幸せにしてください。約束ですよ?」

「もちろんよ。必ず守るわ、その約束」

 それは、私の矜持に掛けての誓いだから。

「はい、桜。我が剣に掛けて誓いましょう」

「有難うございます。それに、先輩達がイギリスへ行くまでに、まだ一年もあるんだし……うふふ、先輩の気が変わる事だって十分あるかもしれませんよね? 姉さん。それじゃあ、私は部活に行って来ますね。また夕方にお邪魔します、先輩」

 ちょっと……桜、それは宣戦布告ね?

「ああ、気をつけてな、桜。それとな、"お邪魔します"じゃなくてさ、"帰ってきます"、だろ?」

「っ! そうですね、じゃあ夕方に帰ってきます、先輩」

「おう、頑張って来い、桜」

 そういって士郎に見送られながら、ほんの少しの悲しさを混ぜた笑顔で桜は部活へと行った。







「なあ、凛?」

「ん? どしたのよ?」

 急に真面目な顔しちゃって。

「出来るだけ桜の事大切にしてやってくれよな、その、桜の姉としてさ」

「!!」

「まあ、正直ちょっと羨ましいよ。そりゃ昔にどんな事があったかなんて俺にはわかんないけどさ。でも、今も妹が居て、一緒に生きていけるって事がさ」

「うん……うん、わかったわ、士郎。桜は私の妹だものね」

 そうね、ありがとう士郎。
 ほんとは妹を亡くしたばかりで辛いはずなのに、そんな事ちっとも顔にも出さないで……
 あなたがいてくれたおかげかもしれないわ、桜とこうして話せたのも。
 "姉"と読んでもらえる日が来るなんて、二度とないと思ってたのに……
 でもね、士郎? あなた気づいて無いでしょう?
 もしかしたら、桜はあなたの本当の妹になるかもしれないのよ?

 この分だと、わたしも桜も、そしてアルトリアも、苦労させられそうね。
 でも、負けないわよ? さくら……






Back  |  Next

ホームページ テンプレート フリー

Design by